ドラマCD&ゲーム『Starry☆Sky~After Winter~』 初回限定版
honeybee
Windows　CD-ROM
発売日 2012-04-27
定価：￥3,980(税込)




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この記事は2012/5/11に作成しました。

魔法使いの夜 初回版 (Amazon.co.jpオリジナル特典ポストカード付)

TYPE-MOONの幻の作品として有名なタイトル、満を持しての発売。
シナリオやプレイ時間、価格など様々な要因から賛否両論ですが、
個人的な感想としては、やはり面白かった、という一言に尽きるかと思います。

シナリオ面に関しては好みがあるので主観としての感想になりますが、
TYPE-MOONファンなら文句の付けようの無い出来であったかと思われます。

橙子の呪いの正体、破壊された使い魔、第五魔法など、
今まで謎であった部分が多く語られ、TYPE-MOON好きには必読といった内容でした。
反面旧来の作品や世界設定を知っている事が前提な記述も多く、
どうしてもファン向けという印象を拭えませんできた。

バロールの魔眼、名無しの森、魂の物質化、二十七祖ネタと、
他の型月作品に通じるネタが散りばめられており、
旧来からのファンへサービスも十分でした。

作中の文章は奈須きのこが当時執筆したものから
あまり弄っていないと書かれていましたが、
やはりゲームにする上で多少の改変はあったようで、
昔まんだらけなどで僅かに公開されていたものとは
大分シチュエーションが異なっていました。

原作は全三部作ですが、以降の作品の発表予定は今の所無いそうですし、
せっかく一部をアレンジしたのなら、初めてTYPE-MOON作品に触れるプレイヤーの為に
魔術師の根源への拘りや、魔法、アラヤについての説明なども
あっても良かったのでは無いでしょうか。
想像の余地を残したとも言えるかもしれませんが、
あまりにも説明不足過ぎたかと思われます。

音楽面に関しては、月姫シリーズ、Fateシリーズ全てを通して、
歴代最高と言っても過言は無い出来と言えるでしょう。
クラシックのアレンジなどもありますが、オリジナルのBGMにも印象的な曲が多く、
1シーンしか流れないような曲もあり、その贅沢使い方には脱帽しました。

システム面に関しては水準を満たし、あまり文句はありませんが、
ジョイパッドの設定などはゲーム内で切り替えができると良かったかと思いました。

そしてスクリプト、演出面に関しては、
間違いなく歴代ノベルゲーム最高峰であったかと思われます。
エンジンである吉里吉里2の性能をここまで引き出したゲームも他に無かったでしょう。
使いまわしの効かないその場限りのプラグインがふんだんに使われ、
手間がかかっている割に演出は一瞬で、しかも二度と使われないという、
普通のゲームメーカーでは絶対にやらない手法が使われていました。
発売まで延期に次ぐ延期でしたが、なるほど、と思わされる作りではありました。
2Dノベルゲームとしてはこれを超える演出効果を持つゲームは、
しばらくは同社以外から出る事は無いでしょう。

全体を通しての感想ですが、TYPE-MOONファンならばまず楽しめないと言う事はありません。
ゲーム自体は15時間程度と短いながらも、価格以上のものを得る事ができるでしょう。

逆に言えばファン以外のプレイヤーでは、
そこまでの満足感を得る事はできないかもしれません。
ただシナリオの好みはあるでしょうが、演出面に関して一見の価値があり、
中古市場に出回り、価格が落ちてくれば一度はプレイしてみるのも良いでしょう。

TYPE-MOONファンなら間違いなく☆5、
それ以外の方なら価格などの面も考慮すると☆4～3と言ったところではないしょうか。

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